制服は広告塔
私の親はテイラーだった。
父親に制服を見てもらう機会はなかったけれど、次兄と母親は着るものにうるさかった。
効果なものを着るのではなく、体にあったものを着せようとした。
特にズボンにはよくチェックが入った。
制服はシングルだが、私服のズボンは必ずダブル、その幅は22センチ、折り返しは⒊5センチ…これが歩くときに一番格好いいサイズだと。
今時の私立中学生は、まぁ、坊ちゃんなんだからズボンの買い直しなんてどうって事ないはず。
だのに、入学時、馬鹿みたいにおっきいサイズを買わせる。すぐに大きくなるからと。
そういうズボンを履くとずり落ちる。
だからベルトで締め上げる。するとウエストに大きなシワがよる。お尻はダボダボ…。
制服っちゅうのはその学校の看板を着て歩くようなものだ。その制服がダボダボでダサくていいの?と私は思うのだ。
リフォームで直してもらい!というと、制服改造したらあかんねん。
改造ちゃうやろ。修正やろ。そんな不細工な制服着て学校行くなよ!って思う私は砕けすぎ?
ところで、親父のテーラーに、ある関大生が来ていた。
おっちゃん、ズボン直して。帽子縫って…と、よく来ていたそうだ。