電話応対
勉強はそんなにできないし、お姉ちゃんに比べたら何をやっても敵わない…そんな子がいるものだ。
昔、クマ塾に一人の女子がいた。
お姉ちゃんに対して軽く劣等感を持っていたと記憶している。
ある日、その子が居る時に、私は子ども達に留守番をしてもらってコンビニに走った。
帰ってきたら、私の机にメモが置いてあった。
何時何分 ◯△さんから電話
電話ください
番号090 1234 5678
のようなメモだった。
ありがとうね!と言ってその番号にかけた。
塾の見学に来たいと事前に電話をもらっていた人だった。
電話に出るなり、
“先生、そちらの塾に入れてください。見学はもう要りません。さっき電話に出たのは生徒さんでしょ?あんなに可愛くて、しっかり電話をとれる子がいる塾に子どもを見ていただきたいです”
そんな意味のことを言われ、実際に入塾された。
何がうれしいって、子どもを褒められるほどうれしいことはないのだ。
その日、一日中、体がほんわかしていたのを覚えている。