親と子の距離間、そして教育と躾
昔、こんなCMがありました。
『mother、mを取ったらother…』つまり他人(正確には複数形ですが)になるという意味です。
私は、この言葉、結構いけてると思っています。
親と言っても踏み込み過ぎてはいけない領域があるはずです。少子化社会でなかった頃の日本の家庭では、結果的にこの境界線が守られていました。
けれども、豊かになり、子どもの数が減って、親はどんどん子どもに過干渉をするようになります。
そこに、受験が絡みます。
すると、母親が先生になってしまうのです。
よくファストフード店で宿題をしている母子を見ますが、あれは最悪の状態なのです。
昔から私はお預かりした子どもの保護者にはこう言い続けています。
親は躾だけしてください。
教育は学校に任せてください。
受験は塾屋がします…と。
この立ち位置を間違うと秩序が崩れます。
そうです!今はこれがもう無茶苦茶です。学校は教育していません。
塾は教育していると勘違いし、親はその端末になり果てているのです。
どうして、『任せる』ことができないのでしょうか?
なぜ、一度信用して預けたのなら最後まで信用しきれないのでしょうか?
豊かだから?無理が通る社会だから?少子化で子どもを優遇するから?
自慢ではありませんが、私は少年時代、電車に親子で乗って自分は座りませんでした。
お前は半額だ。立ってなさい…そう母親は言いました。席が空いていてもです。
今、真逆です。
親が席を取って、子どもがそこに座ります。なぜ?塾の宿題をするから?
だから日本がだめになるんです。
親がまず大人になりましょう。
そして、きちんと躾だけしてください。
声を出さない。挨拶をしない。これがまず一番いけません。
いくら勉強ができても私はこういう子を優秀だとしてみません。
これができないで大人になっても、成功しないのです。
謙虚と勤勉こそが日本人の特質です。