間違いだらけの中学受験+α

小さい小さい個人塾の塾長ブログです。

適量

『重い鞄』にも通ずる話。


個別指導の塾には他塾に通う生徒が来る。塾なんて一つでいいだろ?!と思うのが真っ当なのだが、事実はそうではない。2つの塾に平気で通うのだ。いや、科目ごとに塾を変える人もいる。算数はここ、国語はここ、理科はここ…と。

なぜかと言えば、メインと考える塾の教材が自力でこなせないからである。それを個別で見て欲しいわけだ。

進学塾のほとんどは成績によってクラス替えを頻繁に行う。曰く、『通常授業内容』と『実力部分』の両面で判断し、クラス替え頻繁に行うことで学習意欲を喚起させようというわけである。まあ、そう言えば聞こえは良いが、言い方を変えると『おどす』わけである。宿題してこなかったらテストで点数が取れない。そしたらクラスが下がるぞ…と。

大きな塾ではひと学年に1000人も居る。これは流石に説得力がある。我が子の成績を見て、親はつい必死になってしまい、お母さんから『m』が取れちゃうわけである。

子ども達はこうやって小さい時からこの勉強法に慣れきってしまうどころか、これこそが唯一無二と誰もが疑わなくなる。この流れに乗れなければ絶望的であると誤認する。

塾を流行らせるために考案されたこのシステムは、確かに一面では効果を挙げた。が、他方では子ども達に好ましくない習慣も植え付けてしまった。理屈より記憶が優先し、大量、長時間こそが学習であると誤認した。

すべてが偏差値で語られ、子どもの価値は塾のクラスで決まる。恐ろしいことにこの『烙印』は中学に行っても消えない。『お前〇クラスだろ』てな感じで。

仲良しだったお友達は倒すべきライバルなってしまう。なんとも殺伐とした光景だ。

 

『先生、うちの子は○学園に通っているのですが、今のクラスでは志望校に手が届きません。○○中に合格できるようにクラスをあげてください❗️』

そんな変な日本語を使う親子さんの要望は私は絶対にきけない。別の『塾』を紹介して差し上げるつもりだ。