間違いだらけの中学受験+α

小さい小さい個人塾の塾長ブログです。

大手進学塾の大きな「罪」

馬渕進学教室、浜学園、第一ゼミナール、日能研希学園、開成教育ゼミナール、成基学園、能開センターなど、関西の大手進学塾と言われるところは、第二次ベビーブーム世代の中学受験、高校受験で大きく成長しました。


その多くが、「合格実績を競う」ということを、第二次ベビーブームの頃から、40年以上もずっと繰り返してきています。


今の保護者の皆さんの中にも、大手進学塾で学ばれた方も多いと思うのです。


しかし、世の中は変わり、長く続いた不況の時代とも言える平成も、間も無く終わろうとしています。

それにも関わらず、まだ、関西の大手進学塾は40年前と同じことを行なっているのです。


こう書くと、進歩していない業界だということがお分りいただけると思うのです。


そのことだけでも、一つの産業としては進歩のない、遅れた産業であることがお分りいただけると思うのです。


その証拠の一つをあげるとすると、大手塾では、まだ、黒板を使っているところもたくさんあります。


すでに学校、特に国立大附属や私立中学・高校では、今では電子ホワイトボードを取り入れ、また、ITを駆使して、より深く学べるようになってきているにも関わらず、塾では、まだ、黒板を使って、授業をしているのです。


どれほど時代遅れになってきているかということがはっきりとお分かりいただけると思うのです。


さらに、


教える際は、完璧に板書し、それを写すことが必要な大手進学塾がまだまだあるのです。


難関中学に合格するために必要な情報を全て与え、これさえやれば合格できるというものを、繰り返し繰り返し練習させるのです。


問題を解くためには考えなければいけません。しかし、それは最初から引かれたレールの上を進むために、モーターを回し、前に進んでいるだけなのです。


右に行くのか左に行くのか、止まるのか進むのか、そんなことは考えなくていいように、ただ、ひたすら突き進ませるのです。


難関私立中学・高校に合格すると、今度は大学受験に向けてレールがひかれているのです。


難関大学に合格するために、徹底したレールがひかれているのです。


そうして大学に合格すると、初めてレールのひいてない状態になるのです。


当然、そんなことは経験したことがないのですから、どうしたらいいか、戸惑う学生も多いのです。


結果、せっかく難関国立大学に合格しても、全く行かない0単位の学生の数が、旧帝国大学でもかなりの数になるというのです。


私は、塾・予備校の講師として、34年間、子ども達と接していますが、そのうちの30年間は、学校に行けない不登校の子ども達とも、ずっと接してきています。


ですから、大学の保健センターの先生方や学校の先生方とも、塾の講師とは違った立場でお話することがとても多いのです。


その結果、わかったことが、難関大学合格後、大学に通わない0単位の学生が数多くいるということなのです。


元はといえば、40年に渡り、大手進学塾が合格実績を競い、本当の意味での考える力を子ども達から奪ってきました。


そして、同じように大学実績を競う私立中学・高校に進学させ、結果的に大学生になるまで、自分の人生を考えない子ども達を作り出してきたのです。


マイナビリクナビの就活イベントで、学生達に「なぜあなたはこの業界に就職したいのか?」と聞いたところ、学生の多くが就活本と言われるものに書かれているのと同じような答えを言うと、イベント担当の方がおっしゃっていました。


何も考えていないのです。というよりも、考える力を養ってこなかったのです。


40年前とは比べ物にならないくらいに、社会は便利になりました。携帯電話の数が固定電話の数を上回る時代です。工夫しなくていいのですから、考える力は、便利になればなるほど弱くなります。


それ以上に塾業界、特に関西の塾業界は、子ども達の考える力を奪ってきたのではないかと、自戒を込めて思っているのです。


子ども達の可能性は無限です。だけど、好きなようにさせていればいいとは言いません。


もっと伸び伸びと知的好奇心を満たすようなことを、提供できれば、子ども達は自ら考える力をつけていくと、私は思うのです。


イシダ塾は、子ども達の知的好奇心を充すにはどうしたらよいかということに重点を置きます。伸び伸びと学ぶことができる、「学びの場」を提供する塾なのです。

 

イシダ塾 谷 圭祐